シルクスクリーン芸人・小林ぼっちの刷ったもんだ

無名のピン芸人、小林ぼっちが知識ゼロの状態から「シルクスクリーン」を駆使してオリジナルグッズの作成・販売。一人前のシルクスクリーン芸人を目指して奮闘する1年の軌跡を綴ります。

シルスクはチームプレイ!

シルクスクリーンのポテンシャル

世間はすっかり師走。

老若男女、富裕貧困、人気不人気おかまいなし。誰もが忙しいこの季節。

僕も周囲の喧騒に感化され、なんだか忙しい気がしないでもなく過ごしている今日この頃。

 

そろそろシルクスクリーンでまた何か作らねば・・・と思案していた矢先、世田谷233の中根さんから興味をささられるお誘いが舞い込んだ。

 

シルクスクリーンの4色刷りである!

 

今まで僕が制作してきたグッズは、工程も仕上がりもシンプルな1色刷り。しかし実は、シルクスクリーンはもっと色鮮やかで繊細な画像も再現することができるのだ!

色の数だけ思いがこもる!?

中根さんもラインプロデューサーとして関わっている映画『多日想果』(タピオカ)。

台湾を舞台にした短編映画であるこの作品は、製作・上映のためにクラウドファンディングで資金を募ったという。

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映画『多日想果』のイメージ


この日は、そのクラウドファンディングの返礼品であるオリジナルTシャツを刷るというので、お手伝いという名目で現場にちゃっかり潜入させていただいた。

キャストの俳優さんが自ら一枚一枚シルクスクリーンでプリントしていくということで、もちろん感謝の念もこもり方が違う。支援者のファンの人々にもより喜んでもらえるはずである。そういう意味で、シルクスクリーンはお礼やお祝いの品に最適だ!

 

しかも今回はフルカラー。

4色のインクを上から上から重ねて刷ることで多彩な色を表現できるらしい……。理屈だけ聞くと複雑そうだが、とにかく一枚につき4回、いつもの4倍刷ることになる。もはや想いが多すぎてお腹いっぱい、まさに映画のタイトルのごとしである。

試されるチームワーク

以前、僕が単独ライブの物販用にTシャツを50着刷った時は、独りで2~3時間を要した。しかも、そのまま仏門に入りそうなほどの集中力をもってしてである。

今回も全部で55着刷ると聞き、ざっと見積もっても4倍の時間がかかってしまうということなのだろうか・・・しまった。ちょっと軽い気持ちで参加しすぎたかもしれない。

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この無地Tシャツを1着ずつ心を込めて刷っていく


どことなくお腹が痛くなってきたような気がしないでもないし次第によっては大事を取って帰宅する場合も無きにしも非ずだな~などと思いながら、いつものRISOさんのワークスペースへお邪魔すると・・・

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4色刷りマシーン「タコちゃん」(勝手に命名


なにやら仰々しいマシーンがセッティングされているではないか!

正直、前々から訪れるたびにその存在は気になっていたのだが、今日ついにその実態が明らかになる時がきた。

というか見るからにそれ以外の使い道は思いつかない造形だが、このマシーンはまぎれもなく「台に刷りたい衣類をセットして使うインクの色ごとに設置された上部の版を回転させながら効率よく刷るためのマシーン」だ!

マシーンの名前を聞き忘れてしまったので、今回は勝手に「タコちゃん」と呼ぶことにしよう。無論、腕が8本ついているからだ。

 

さて、このタコちゃんはすごい。

1人が刷っている間にもう1人が乾かし、もう1人が服を外し、もう1人が次の服をセットすることができるという優れものだ。なんとも効率がいい。

しかし、タコちゃんをフル稼働させるためにはどうしたってチームワークが必要になってくる。

 

32にもなって恥ずかしい話だが、僕は「ぼっち」の名に偽りなしの人見知りである。本当なら明日にでも引きこもりデビューしたい衝動を、持ち前の理性でなんとか乗り切っているギリギリの大人だ。

そんな僕が初対面の、しかも俳優さんと力を合わせてモノを作るというのだから、上手くやれるかなんて不安しかない・・・

 

 

結論から言ってしまうと、とても楽しく、あっという間に作業は終わった。

なんてことはない、皆さんいい人だったのだ。

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左から藤原さん、大門さん、小林ぼっち、山本さん、露口くん、中根さん


まず、映画『多日想果』の主演であり監督、プロデューサーまで務める大門嵩さん。今回は刷り手に徹し、全てのTシャツを彼が刷り上げた。マルチに活躍するすごい人なのだが、明るいムードメーカー気質で接しやすい爽やか好青年だ。

 

映画のヒロインである藤原希さんは見ての通り美麗な女優さん。今回は大門さんが刷ったTシャツにヒーターを当てて仮乾燥をさせる役だ。独特なほんわかした空気感を持った癒し系で、僕みたいな下の下の貧民にも分け隔てなく接してくれる優しいお方だ。

 

大門さんの後輩で手伝いに来ていた露口君はまだ芸能界に入りたての二十歳の美青年。今回はTシャツをセットするという実は重要な役回りを担ってくれた。大学に通いながら俳優業を頑張る、とにかく礼儀正しくて顔が小さい甘いマスク男子である。

 

こうして書いてると結局だんだん落ち込んできてしまったが、とにもかくにも、ここに中根さんも加わっていただき、5人で和気あいあいと連携し次々とTシャツを刷り上げていった。

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下段の台も上段の版も左右に回転する


僕は以前自分でTシャツを刷った時、シルクスクリーンは己と向き合う精神修行だと勘違いしてしまっていたが、決してそんなことはない。楽しい仲間と交流を深めながら一つのゴールを目指す、まるであの頃できなかった"文化祭の準備"のような感覚を追体験することも可能なのだ。

 

さて次回は、フルカラープリントのTシャツがシルクスクリーンでどのように刷り上がっていくのかを詳しく紹介していこう!

SSGメモ17:シルクスクリーンは友達もできる(かも)!

SSGからのお知らせ

お知らせ1

シルクスクリーン芸人としてグッズ制作に精を出している今日のこの頃。

しかしながら一方で、単独ライブが終わり、日々のライブの前後で手売りをするだけでは販売機会があまりにも乏しくなってきた。

 

というわけで、ついに開設いたしました!

ネット通販サイト。

kobayashibotch.stores.jp

 

stores.jpという誰でもオンラインショップを簡単に作れるサイトを利用して、早速先日こしらえたトートバッグなどを販売開始。

手数料+送料分だけ割高にはなってしまいますが、遠方にお住まいなどでなかなか手売りを買える機会がない人はぜひご活用いただきたい。

お知らせ2

そしてネット通販に加えて、来年の2020/3/29(日)に大型のフリマに出ます!

こちらはminneというハンドメイド専門のフリマアプリが主催する「minneのハンドメイドマーケット2020」というイベント。

minne.com

 

なんと開催地は埼玉スーパーアリーナ。言わずと知れた超巨大施設!その広さはなんと、東京ドーム0.9個分!やっぱり東京ドームはでかい!

そこに、己の力を示さんとする荒くれハンドメイダーたちが全国から集結するのだ。

 

埋もれてしまいそうだがそうも言ってられない。おそらく、この日対面するであろうお客様は僕のことなどまったく知らない人間ばかりのはずである。

これまではライブのお客様や身内に向けてコツコツとグッズ販売に励んでいたが、今回は本当に自分の商品の魅力とプレゼン能力が試される機会だ。

厳しい戦いになるであろうが、努力次第では新たな客層を掴めるチャンス!3月までにしっかりアイテムを揃えていい結果につなげたい・・・

 

もちろんお得意様たちの応援も大歓迎!

当日は山になった在庫を前に、涙も枯れている僕が見られるかもしれないので、ぜひショッピングがてら遊びに来てくださると嬉しいです。

SSGメモ16:フリマ出展の抽選は普通に当たる

グッズ制作 第2段 その2

SSG(シルクスクリーンガール)の作品

さて、シルクスクリーングッズの第2段として、トートバッグやパーカーに挑戦した今回。

しっかり"反面教師"という形で僕のシルクスクリーン刷りを見せつけたところで、一緒に参加してくれた女芸人の3人も早速思い思いのグッズ制作に取り掛かる!

 

まずは、自筆イラストでTシャツを作りたいという なかよし・後藤。

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左が後藤。Tシャツもインクもカラフルだ

今回は彼女がいつも好んでよく描く事務所の先輩、トンツカタン・菅原の似顔絵をTシャツの全面にでかでかと刷り上げたいらしい。

インクのカラーを選ぶのにかなり悩んでいた様子だが、結果的に水色や緑のTシャツに蛍光ピンクのインクをチョイス、さらに黄色のインクをまだらに上塗りするなど、初挑戦とは思えない攻め攻めな刷り方で鬼才っぷりを発揮!

 

仕上がったTシャツは、その独特な絵柄とも相まって、彼女らしいかなりエキセントリックなセンスが光る作品となった。

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後藤の描く人物はとにかく瞳がエグいほどにキラキラだ

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絶妙にグラデーションのかかったサイケデリックなTシャツ!


続いては、ドルヲタであり、自分用のオリジナルアイドルTシャツを作りたいという かわえなつき。

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"オリジナルブランドでアイテム作ってそう"感は一番あるかわえ

さすがにここまで来てTシャツ1枚しか作らないのはもったいないだろうと思い、僕のトートバッグを1つ譲ることにした。

デジタルには疎いながらも、この日のために頑張って慣れないWordでロゴを作ってきたという。推しへの愛を示すためならば、人はどんどん成長することができる!

 

カラーや刷る位置を皆で相談している時に「同じロゴを縦に3つ並べてはどうか」という案が出たり、「2色をランダムに配置して刷ろう」ということが決まった。こうやって刷る直前まで柔軟に、遊び心豊かに対応できるのもシルクスクリーンの大きな魅力だ!

刷ったTシャツとトートバッグは結果的に相当クールなデザインに仕上がった。そのアイドルのファンでなくても使いたくなるかっこよさである。

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図らずもインクと服装のカラーが被るかわえ

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ちなみに「つばきファクトリー」というアイドルの応援グッズ

 

そして最後は、手芸も大好きな先輩、本田兄妹・あやのさん。

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この日刷った回数が一番多いあやのさん

自分で描いてきたという猫のイラストはなんとも味があって癒し系だ。ちなみに、デジタルデータではなく紙に手描きしたデザインでも、RISOさんがその場でスキャンしデジタル化してくれるので、パソコンができない人でも安心だ。

 

さて、今回あやのさんはトートバッグとサコッシュ数点にシルクスクリーンで絵を刷った後、持ち帰ってさらに刺繍を加えるという。また、持参した大量の布きれも次々と刷り上げ、それも持ち帰ってポーチなどを制作するのだとか。

 

・・・もはや布製小物づくりの鬼だ!

 

そんなわけでハンドメイドにはちょいとうるさいあやのさん。

彼女ほどの域に達すれば、ハンドメイドのアイテムに込められた「念」の強さが見えるのだという。もはや『ハ◯ター×ハンター』の世界だ。

 

こうしてサクサクと手際良く刷られたトートバッグなどは、どれも刺繍を加えずとも十分に可愛いらしくて欲しくなるグッズに仕上がった。

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後輩のヨイショパワーで作業が捗るあやのさん

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この布が何に変身するのか楽しみである

 

こうして、濃厚なシルクスクリーン体験を終えた4人。

蓋を開けてみれば、凡ミスで数点の失敗作を出してしまったのは僕だけだった・・・。「何事も慣れてきたあたりが一番危ない」という教訓を身に染みて学んだわけだが、とはいえ全員が納得のいくグッズの制作に成功!

 

嬉しいことに今回参加してくれた3人ともかなり楽しんでくれた様子で、すでにまた次を刷りたいとも言ってくれているほどだ!こうやってシルクスクリーンの楽しさを普及してくのもSSGの務め。

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グッズ第2段 販売開始!

さあ!というわけで今回僕が作った「いいぬ!」グッズも早速販売を開始します!

現状、出演するライブの前後などでの手売りが基本となりますが、通販の方法も考え中です。(メルカリとか?)

価格は以下の通りに決めました。

 

●トートバッグM(345×355×100mm:8ℓ)

 ¥1200 15個限定(内2〜3点は滲みなどが目立つ)

●トートバッグL(450×370×140mm:16ℓ)

 ¥1500 5個限定

サコッシュ(300×230mm:0.7ℓ)

 ¥1200 4個限定

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サコッシュとトートバッグM・L

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パーカーL ベージュ

ちなみにパーカーの白はすでに買い手がついてしまいました!ベージュも一点限りですので、迷ってる方は早い者勝ち!TwitterのDMなりなんなりで連絡ください。裏地あったか仕様で良さげですよ〜。

(追記:ブログ公開後、ベージュもすぐに売約済みとなりました!ありがとうございます!)

SSGメモ15:いいアイテムには念がこもる(by本田あやの)

グッズ制作 第2段 その1

SSGの新しい仲間たち!

単独ライブでの販売を主目的としたグッズ制作の第1段ではTシャツを大量に刷った。

あれから1ヶ月、そろそろ次のグッズを作らねば!ということで先日またまたRISOさんのワークスペースにお邪魔してきた。

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今回刷るアイテムたち。仕上がりが楽しみだ


前回は一人で黙々とTシャツを50着刷り続け、没頭しすぎるあまり危うく宇宙の真理に触れそうなところまで行ってしまったが、今回は違う。

芸人仲間から募ったシルクスクリーンに興味のある人たちと、合同で楽しく和気あいあいと刷るからだ。集まってくれた有志は、僕の古巣である人力舎の女性芸人3名!

 

まず1人目はピン芸人の かわえなつき!

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年間を通じてキャップスタイルのかわえなつき

ボーイッシュの申し子でお馴染みの彼女は筋金入りのアイドルオタクでもある。

今回は自分用にオリジナルの推しTシャツを作りたいとのことで参加してくれた。正直1枚しか刷らないのであればかえって割高になるとは何度も説明したのだが、彼女の耳に届くことはなかった。推しへの愛を示すためならお金なんて問題ではないということなのか・・・ドルヲタの信仰心は恐ろしい。

 

2人目は「なかよし」という男女コンビの後藤!

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ネタにもイラストにも狂気が垣間見えるなかよし・後藤


小学校低学年の女子が描くような絵柄のイラストを得意とする。彼女の描く人物画の瞳にはとにかく◯(まる)がたくさん詰まっていて奇抜だ・・・。なにやら今後はお笑い以外にも創作活動を始めていく目論見があるらしく、今回はその一環として参加してくれた。

 

3人目はいつもお世話になっている先輩、「本田兄妹」のあやのさん!

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いろいろと凝り性で多趣味な先輩、本田兄妹・本田あやの


もともとオアシズの光浦さんらとともに、本格的な趣味として手芸を嗜んでいる人だ。今回はトートバッグに自作イラストをシルクスクリーンで刷り、さらにあとから刺繍を施すつもりらしい・・・。そして大量に持参してきた布きれ。聞けば、それにもイラストを刷り、持ち帰って後々その布でポーチやら手芸品小物を自作する計画なんだとか。

したたかすぎる!ハンドメイドにもほどがある!今回最も製版代のもとをとったのは断トツであやのさんだろう。とにもかくにも制作意欲にあふれた人だ・・・。

 

この個性的なメンバーとともに、早速シルスクアイテムを制作だ!!

SSGパイセン

というわけで今回もRISOの山本さんに手ほどきを受けながら、4人でシルクスクリーン開始!・・・といっても僕はこれで3度目である。初体験の3人とは違って慣れたものだ。

GOCCOPROから自分の描いたイラストやロゴが製版されて出てきた時の感動。版をフレームにピシッと貼る時の真剣な表情。インクのカラーで悩む様子。取り組む3人のすべてが懐かしく微笑ましいかぎりだ。

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ただスタートボタンを押す顔にも自信がみなぎる小林ぼっち

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そしていよいよインクを刷る工程まできた。

なんといっても世界に1人、こちとら元祖シルクスクリーン芸人である。まずは僕がビシッと刷り上げるところを見せて、3人の期待に応えてあげなければいけない。

この日のために描きあげた「いいぬ!」イラストを、紺色のインクを使ってトートバッグとサコッシュ、パーカーにプリントするのだ。

 

サッとスキージを引く。見事にプリントされるわんこ。湧き上がる歓声と羨望の眼差し。まあどうってことないけどね。それ2枚、3枚、4枚・・・・・・んん?

 

だんだんとわんこの線がかすんでいる。点々とインクがついてない箇所がある。もう5枚目あたりは「味」では済まされない、明らかな失敗作だ!

動揺を隠しきれない僕のところに山本さんが飛んでくる。

「ぼっちさん、インク返しされてますか!?(汗)」

インク・・・がえし・・・?

せ、せや!忘れとった!!

 

実はインクには色だけでなく、性質にもいくつか種類がある。

今回僕が選んだインクは水性でとにかく乾くのが早い種類だった。なのでモタモタしていると版の穴に詰まったインクが乾いて固まり、すぐにキレイに刷れなくなってしまうのだ。それを防止するためのテクニックが「インク返し」なのだが・・・ちょっと説明が難しいので割愛。(インク返し自体は簡単です!)

とにもかくにも、水性のインクの場合は毎回刷るたびに「インク返し」をしないといけない!それをちゃんと助言されていたにもかかわらず、すっかり忘れて余裕ぶっこき呑気に刷っていたら、瞬く間に版は使い物にならなくなってしまっていた・・・。

その後、山本さんに洗浄してもらってなんとか版を復活させてもらい、残りを必死に刷り上げて被害は最小限に抑えることができた。おかげさまで売り物として耐えうる「いいぬ!」グッズの完成だ!

手前みそだが、なかなかカワイイできではないだろうか?特にパーカーは白とベージュの一点物。

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サコッシュとトートバッグM・L

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パーカー 白・ベージュ

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かすれたり滲んだりした失敗作・・・無念


とはいえ、なんとも情けない。

3人に良いところを見せるはずが、かえって気を遣わせ、手間をかけさせてしまった。面目ない。・・・そして僕は思うのである。

 

(みんなもちょっとずつ失敗しないかな・・・)と。

 

そんなわけで3人の制作の様子は次回!

はたして、どんな作品ができあがるのか!?シルクスクリーンを気に入ってくれるのか!?

SSGメモ14:水性インクの時はスピードとの勝負。そして「インク返し」!

 

ネクストアイテム→

新しいイラストを書きました!

シルクスクリーン活動の第1弾であったTシャツの制作・販売が一段落したこともあり、そろそろ次のグッズ制作に取りかからなければならない。

 

何を作るにしたって、まずはデザインが必要だ。

前回のもぐらのイラストも特に考えがあったわけではなく、気まぐれの思いつきだったわけだが、今回もこれといってこだわりはなく、なんとなくバイト中に手遊びで落書きしたものが気に入ったので採用してみた。

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イラスト第2段は6匹の犬「いいぬ!」

僕は昔から動物の絵を描くのが好きな一方で、人物画が苦手である。だからどうしても動物ばかりになってしまい、今回もついつい1番描いていて楽しい犬の絵になってしまった。

 

なんとなくデ◯ズニーっぽくもなってしまったが(特に左上のメスなんかが・・・)、なかなかカワイイ感じに描けたのではないか!

SNSの「いいね!」ボタンを文字った「いいぬ!」のロゴが蛇足な気もしないでもないが、ご愛嬌だ。

 

どうだろう皆さん、これのグッズは欲しいだろうか・・・?

結局作ってる時が一番楽しいのがグッズ製作の怖いところである。

近日、新グッズ制作決定!

そして早速、近日この「いいぬ」イラストで新グッズを制作することが決定した!

 

しかも今回は1人じゃない!

 

シルクスクリーン芸人として、グッズを作る他にシルクスクリーンの魅力を広めることも使命の一つだ。というわけで、まずは近場でシルクスクリーンに興味のある芸人を募ってみた結果、3名の淑女が名乗りを上げてきた!

図らずもシルクスクリーンでハーレム体験ができそうだ。これにはスキージを握る手にも思わず力が入るぜ・・・。当日のウハウハなグッズ製作の様子はまた追ってブログに綴ることになるだろう。

 

 

さて、僕自身は何を作る予定かというと、Tシャツに続いてこれまたグッズの定番であるトートバッグだ!

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単にトートバッグといっても意外に種類が多くて悩む

「いいぬ」のイラストを全面にあしらえば、いい感じのポップな仕上がりになりそうな気がする。キャンパスサイズの他に、より実用的な少し大きめのサイズも作ってみようかな〜などと胸を躍らせつつ、制作個数は慎重にならなければならない。

なにしろ僕が住んでるボロアパートの1室はあまりにも狭い。おそらくムツゴロウ王国の犬小屋の方が広い。すでにTシャツの在庫だけで部屋はパンパンなのだ!

 

・・・とか言いつつ、ふと立ち寄った服飾量販店で、無地のパーカーがセール価格で売られているではないか!

シルクスクリーン芸人になってからというもの、ついつい「これは刷れるか」という視点で商品を物色することが癖になってしまっているのだ。

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白とベージュ。首元がカワイイ!・・・はず

気づけば2着だけ購入してしまっていた。

これからの冬から春にかけてパーカーはきっと需要があるはずだ。さらに「限定2着!」と謳えば引く手数多のはずだ。大丈夫。きっと大丈夫・・・ブツブツ・・・

SSGメモ13:グッズを作るまではひたすら楽しい。戦いはそれから。

Tシャツ制作の反省

月一定例会議の様子

シルクスクリーン芸人に就任してからというもの、実は毎月1回、新橋にあるRISOさんのオフィスで定例会議を行なっている。いつもシルクスクリーンを刷らせてもらっているワークスペースと同じ場所だ。

メンバーは、この企画のプロデューサーであり僕を抜擢してくださった世田谷233の中根さん。毎回親身になって活動のサポートをしていただいているRISOの上杉さんと山本さん。そして、社会人経験のない大人である僕だ。

毎回「新橋というサラリーマンの町に午前中から出向いてビルの一室で会議をする」という行為が、まるで自分を立派な社会人であるかのように錯覚させてくれるので、僕にとっては密かに高揚するイベントなのだ。

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単独の様子を緊張気味に報告する芸人とは思えない面持ちの小林ぼっち

先日行った11月の会議では、単独ライブでのグッズの売り上げを報告させていただいた。

前回の記事で生々しすぎるほど事細かに紹介したとおり、結果はTシャツが半分以上売れたことで黒字!活動の第一歩としては上々の滑り出しだ。

おかげさまで僕も堂々と結果を報告することができたし、それを聞いた御三方も本当に喜んでくださった。

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左:上杉さん 右:山本さん

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安堵の表情を浮かべる小林ぼっち

些細な幸せアピールですら瞬く間に炎上してしまうような僻み妬みに溢れた世界で、人の黒字をこんなにも喜んでくれている・・・僕はなんて素晴らしい方々に囲まれているのだろう!

お笑い芸人である僕の仕事は人々を笑顔にすることだ。そのためにも、僕はますます黒字にならなければない。そう、人々を笑顔にするためだ。断じて自分の私利私欲のためではない。

Tシャツ制作の反省点

今回、単独ライブという少し特殊な販売環境で半ばご祝儀的な意味合いもあってか、予想以上にTシャツが売れてくれた。

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もぐらでおなじみ「暗中模索」Tシャツ

その後も、ちらほらと買ってくださる方がおり、50着刷ったTシャツは残り21着。なんと現時点で29着も売れたのだ!(正確に言うと内1着は自分用)

 

しかし、今ここにきて大きな問題が立ちはだかっている・・・。

 

レディースサイズがまったく売れてないのだ!

 

今回のサイズごとの制作枚数は・・・

WSが5枚、WMが15枚、Sが5枚、Mが15枚、Lが10枚で計50着。

対して残り枚数は・・・

WSが5枚、WMが12枚、Sが2枚、Mが2枚、Lが0枚で計21着。

 

WSは1枚も売れてないしWMは15枚も刷ったのに3枚しか売れてない!!

これは由々しき事態だ・・・

 

ライブのお客さんは圧倒的に女性が多い。だからレディース多めがよかろ〜なんてあまりに安直だった!!

世のトレンドは、大きめサイズをスタイリッシュに着こなす風潮にあるらしい。完全に読み誤った・・・。

 

あとWSに至っては単純に小さすぎた。

後輩の女芸人で「おとぎばなし」という男女コンビの吉田(通称:よっちゃん)がWMを買ってくれたのだが、身長152cmで細身の彼女がWMでピチピチだったのだからWSは相当小さい。

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中央でWピースするミニマム系女芸人のよっちゃん

頭に浮かぶ芦田愛菜ちゃんなら着れるけど実際の今の芦田愛菜ちゃんなら着れない、くらいのサイズだ。

 

もし幼稚園〜小学生くらいで黒が好き、もぐらが好き、というお子さんがいらっしゃる方はぜひお声かけいただきたい。子供が着ると一段と可愛いはず!

ただ、子供に着せるTシャツの胸に「暗中模索」と書いてあるのがなんとも渋すぎる。今後、これらの在庫を消化していくのに骨が折れそうだ・・・。

SSGメモ12:大は小を兼ねる。Tシャツもしかり。

Tシャツの売り上げは・・・

お買い上げ誠にありがとうございました!

ネタにグッズに準備が大忙しだった数ヶ月間を乗り越え、10月22日23日に開催された単独ライブでは公演内容もさることながら、物販も御盛況いただく形で幕を閉じることができた。

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スタッフさんと手伝ってくれた芸人のおおくす君

大仕事を終えた充足感と、欲にまみれた生々しい期待感に包まれながら、その晩は帰宅してすぐに眠りに落ちてしまった。

 

翌朝。

単独の興奮が冷めやらぬ中、僕は起床するとすぐにお客様からいただいた今回の単独ライブへの優しさにあふれた熱いアンケートを読むのは一旦後回しにしてグッズの販売チェックシートに目を通した。最新のiPhone11もこの時ばかりは単なる電卓でしかない。

2日公演とも終演後の物販では、お客様が列をなしてお買い上げくださったのだ。その成果を、数字で!早く数字で示してくれ!

 

今回の単独ライブ、結論から申し上げますと・・・

 

 

 

黒字でした!!!!

やりました!!儲けた!

売れないお笑い芸人事情に詳しくない人にとっては驚くべきことかもしれないが、お笑いライブは基本的に儲かることなんて少ない。赤字か、良くても交通費におまけが付いて返ってくるレベルが日常の世界なのだ。

もちろん、有名どころや人気者によるライブはまた話が変わってくるが、基本的には僕らのような地下ライブ芸人はやればやるほど、出れば出るほどお金が消えていく。それが東京のお笑いライブ事情である。

じゃあなんでライブなんてやってるの?・・・というと、それはまた長くなるのでここではよそう。「マジで不思議」な話なのだ。(←単独のネタより引用)

 

しかしながら!そんな厳しい現状の中で!単独ライブで黒字を出すことができたのである!これは我ながら大したものだ。そして何より、足を運んでいただきお財布を軽くしていただいたお客様のおかげさまさまでございます。

正直なところ、チケット代の利益だけでは会場費ですでに赤字であった。つまりは僕の集客力の乏しさを、それでも来てくださった精鋭のお客様たちがグッズを購入してくれたことで大きくカバーしてくれたというわけだ。

だからもう本当に大袈裟でなく、お客様のおかげさまさまなのである!

もうこの2日間に来てくださったお客様には足を向けて寝られない。頭が上がらない。僕は頭髪に問題を抱えている系男子なので、できれば脳天をさらすような体勢はとりたくないのだが、今回のお客様に関してはそうもいかない。

で、実際いくらの黒字なのよ?

さて、このブログはシルクスクリーン芸人としての活動報告の場である。

そこで今回のシルクスクリーングッズに関する収支をしっかりと明記していこう。「シルクスクリーンでグッズ作るのって実際どうなの?」と気になっている方にはぜひ参考にしていただきたい。

 

今回用意したのはTシャツが2種類。

シルクスクリーン芸人のロゴをあしらった「SSGTシャツ」15着と、モグラのイラストが描かれた「暗中模索Tシャツ」50着。どちらも1着2000円で販売した。

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単独で販売したTシャツ2種

制作にかかった費用は下記の通り。

 

<SSG>

・初回ワークショップ&製版代:RISOさんのご厚意で今回特別サービス

Tシャツ代9,000円(600円×15枚)

・インク代:450円(4.5円/g)

OPP袋:45円(3円/枚)

合計(1):9,495

 

<暗中模索>

・スペース利用代:1,500円(500円/時)

・製版代+クリーニング代:2,500

Tシャツ代30,000円(600円×50枚)

・インク代:1,000円(5円/g)

OPP袋:150円(3円/枚)

合計(2)35,150

 

(1)+(2)+消費税=49,109

※インク代の差は種類が違うため

 

ご、5万!5万かかってた!

誘われるがままにシルクスクリーン芸人に就任して、楽しい楽しい言いながらのほほんとTシャツをバンバン刷っていたら、しっかりとお金がかかっていた!

・・・まあそりゃそうだ。人と物と時間が動いているのだから。社会人経験無しとはいえ、さすがに32歳ともなればそれくらいは知っている。なんにせよ後払いにしていただけて助かった・・・。

 

ここで一旦冷静に考えてみよう。

今回SSGTシャツはRISOさんのお慈悲で特別割引をしていただいているため省くが、ほぼ順当に作った暗中模索Tシャツは50枚刷って35,150円。なんと1枚あたり703円でできたことになる!これは安い!はずだ。

すべてのTシャツプリント業社を調べたわけではないが、だいたい50着程度なら片面1色とはいえ安くても1着1000円以上はかかってくる。そこに送料も乗っかるかもしれない。

それならやっぱりどう考えても700円は安い!やったー!原価はたったの700円!わーい(⌒▽⌒)

 

(・・・・・・はっ!)

 

何か今、殺気のような、すごく冷たい視線を背中に感じる。なんだ、この違和感は?

・・・もしや、なるほど。そうか。

 

これは、Tシャツを買ってくれたお客様の思念だ!

(あなたは700円のものに1300円も上乗せして売っていたのね。とんだ銭ゲバ。金の亡者。ゲバもじゃ。ゲじゃ。ゲジャ野郎。ゲジャロウ・・・)

 

なんてこった!

よく考えたら普通原価をさらすなんてどうかしてる!しかも「安い安い」とはしゃぐ姿なんて見せちゃいけない!

 

いや、でも待ってください!たぶん妥当な額ですって!

まず、買ってくださった方だからこそわかってもらえるはずだが、生地からしてしっかりした上等のTシャツである。仕入れ値が600円と激安だが、それは決して安物だからではなく、RISOさんと233の中根さんにご尽力いただき特価にて調達することができたからである。きっと、こんな豊かな国であるにもかかわらず大の大人がガリガリなものだから、不憫に思って価格を抑えてくださったのだろう。痩せてみるものだ。

 

それにそもそも、グッズTシャツで2000円は相場だと安い方である。加えてシルクスクリーンのプリントは耐久性も高くて発色もいい、むしろ高級志向な人が求める代物だ。

なにより今回、描いたり、刷ったり、畳んだり、運んだり、本来業者に任せる部分を僕自身が担ったわけだから、その分を多く頂戴したって文句は言わせないよ!人と物と時間が動いたんだから!ね?ほら!危ないから、一回釘バット置こ?

 

現在の日本では、クリエイターや技術者への労働力搾取が問題視されている。たぶんこれもそれ系のあれだ。だからどうか気持ちをおさめてほしい。そして願わくば、次も2000円で買ってほしい。

 

なにはともあれ。

結果、今回の単独で売れたTシャツの枚数は「SSG」が10着、「暗中模索」が24着。なんと計34着も買っていただけた!

2000円×34着=68000円の売り上げだ!

そこから費用の49109円を差し引くと・・・

 

18,891円の利益!(感涙)

 

費用対効果を考えて、この額が多いか少ないかはまだ判断しかねるが、とにかく黒字になって本当によかった。SSGの活動一発目として、ひとまず成功と言えるのではないだろうか。今後のモチベーションアップにもなった!

もちろん、余ったTシャツもこれからどんどん売っていくことができれば利益はさらに増える。というわけで、誰か買ってください!

SSGメモ11:お客様に原価を知られると気まずい