シルクスクリーン芸人・小林ぼっちの刷ったもんだ

無名のピン芸人、小林ぼっちが知識ゼロの状態から「シルクスクリーン」を駆使してオリジナルグッズの作成・販売。一人前のシルクスクリーン芸人を目指して奮闘する1年の軌跡を綴ります。

ちょっと珍しいお仕事

イラスト描いてたら・・・

もう先に白状します・・・今回はもうシルクスクリーン関係ないです。

ただ、ちょっと変わった仕事の依頼があったのでここで軽くお話させてくださいませ!

 

僕は現在フリーランスで活動しているので、直接お笑いに関係ない仕事でも自己判断でホイホイ受けられる身だ。このシルクスクリーン芸人としての活動も、フリーだったからこそお声がかかったようなものだ。

 

そんなわけで、今回人づてに僕のもとに舞い込んだ仕事が「CM撮影用の絵コンテ描き」だった!

 

絵コンテ・・・ドラマでもMVでも、とにかく何か映像作品を撮る際にストーリーの流れやカット割などを簡単なイラストで表した紙芝居のようなものである。

業界人でもなければ直接目にする機会はないものの、なんとなく存在は知っている人も多いのではないだろうか。

 

そんな絵コンテなるものを、この度自分で描くことになった。

別に僕はプロのイラストレーターではなく、特別に画力が秀でているわけでもないが、このシルスク芸人の活動しかり、趣味やちょっとした仕事でちょくちょく絵を描いてきた結果、巡り巡ってこんな仕事も舞い込んできたりするから世の中面白い。

予想以上に求められる画力

さて、今回そんな絵コンテ制作をやってみて、その思った以上の難しさを痛感した。

 

そもそもまず、自分の頭の中にあるものを描くのではなく、他人(監督)の頭の中にあるものを描くというのがとにかく難しかった。

言葉や写真資料で説明を受け、それを汲み取って絵にするという作業は、実は画力と同等に読解力が求められる仕事だ。

 

そして一番苦戦したのがアングルの問題だった。

絵コンテはあくまで映像の完成イメージを共有するための資料として使われるものなので、イラスト自体に写実的なまでの細かい描写は必要ない。

しかし、ただストーリーがわかればいいというわけではなく、そのシーンをどのアングルからどれくらいの距離感で撮影するかというカメラワークを示すことも重大で、これがなんちゃって絵描きちゃんを大いに苦しめた!

 

正直、iPadで描いているので「このシーンはもっと寄りで」とか「引きで」という注文はそのまま拡大・縮小で対応できる。しかし・・・

「絵はこのままでいいんだけど、もう気持ち下からのアングルで」

なんて言われようものなら、「絵はこのままでいい」はずなのにまるまる描き直しである!

 

いくらデジタルで描いていようと、2Dのイラストである以上「じゃあちょっと上斜めに傾けて・・・」なんてことはできないのだ。

こちとら人間の顔なんて正面か背面か左斜め45度の3パターンが関の山である。それを「若干右斜め下から」などと急に言われても、デッサンもろくに学んだこともない自称イラスト得意です男には難儀なことこの上ない・・・

 

とはいえ、大人の世界で「できません」なんて言葉は通用しない。ましてや孤独なフリーランスの身なら尚更だ。ひたすらリテイクし、どうにかこうにか、誤魔化し誤魔化しで描きあげるしかないのである。

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今回制作した2パターンの絵コンテ

絵コンテ師は狙い目の仕事?

今回、僕は素人同然ということもあり格安で(格安と言われたが相場がわからない僕にとっては「こんなにもらえるのか」と思った)この仕事を請け負ったが、世の中にはプロの絵コンテ師さんがいるらしく、人によっては1コマ数千円といったギャラが発生するらしい。

 

しかし、絵コンテを描く人材は少ない・・・というよりおそらくこの仕事の存在があまり認知されていないため人手不足なんだとか。

今回、僕の実力ですら依頼主の監督さんはかなり満足してくれた様子だったので、世の中に掃いて捨てるほどいる売れないイラストレーター、漫画家さんにとっては超狙い目のアルバイトかもしれない!

作画の「スピード」と「構図」に自信がある人ならかなり稼げる予感がする・・・

SSGメモ52:新しい仕事はとりあえずやってみる