シルクスクリーン芸人・小林ぼっちの刷ったもんだ

無名のピン芸人、小林ぼっちが知識ゼロの状態から「シルクスクリーン」を駆使してオリジナルグッズの作成・販売。一人前のシルクスクリーン芸人を目指して奮闘する1年の軌跡を綴ります。

こだわり名刺は紙選びから

一から名刺を作る

ついにシルクスクリーン初体験を目前に控え、この企画のプロデューサーであられる世田谷233の中根さんから、そこで刷る名刺の紙を自分で選んで用意するように言われた。

自分でデザインして、紙を選んで、印刷までするのだから正真正銘の「手作り名刺」と言っても過言ではないだろう。もしかすると愛着が湧きすぎて配るのをためらうといった本末転倒な結果にもなるかもしれない。

 

とにもかくにも、雀の涙が干上がって残された塩の結晶ほどのバイト代を握りしめ、いざ紙屋さんへ出発だ!

 

・・・紙屋さんてどこよ?

はて、名刺用の紙なんていったいどこへ行けば売っているのかわからない。デジタル社会とはいえ、身の回りはまだまだ紙であふれかえっているというのに、僕だけかもしれないが、いざ紙を買おうと思う機会は意外とないものだった。かといってキャラメルの空き箱の裏を使うわけにもいかないので、とりあえずあらゆる欲望の叶う街、新宿に降り立った。

駅の降り口から1番近かった「巨大カメラ屋さん」にひとまず入ってみると、なんとすぐにあった・・・・・・いや、ありすぎだ!

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手作り名刺の最終手段

そそり立つペーパーズマンション

プリンタ売り場にある印刷用紙のコーナーに足を踏み入れると、そこには多様でいて同じような紙が何百種類も所狭しと棚に陳列してあった。しかも、平積みでだ!売り場スペースのことを考えるとそうする他ないのだが、パッと見で商品のパッケージが見えないことでゲームの難易度を各段に押し上げている。

紙のソムリエでもいてくれればと願うところだが、あいにく電子機器売り場には巡回する店員が多数見受けられるも、カミの聖域にまでは踏み込んでこない。

 

仕方なし。ここは腹を括って棚の隅から隅まで探して回るしかない。

中根さんが言うには、A4用紙で10枚刷れるようにしてくれているとのことなので、とりあえずA4サイズを買うことは決まりだ。それでいてある程度厚みのある・・・

 

「名刺用」

いや、あるじゃん!

はっきり「名刺用」と書かれた紙が普通に売っている!すごい、しかもすでに切り取り線が引いてあり、印刷したらそのまま手で切り分けられる仕様だ。世の中本当に何事にも便利な物が用意されているものだ。めでたしめでたし・・・

 

 

なんて、言うとでも思ったか!

危ない危ない。よくよく考えると、すでに切り取り線が引かれているということは、裏を返せば絶対に印刷位置をズラすことが許されないということでないか。

プリンタならそりゃ寸分の狂いもなくプリントすることだろう。しかし、こちとら手刷りの初めてさんだ。しかもまだどうやって刷るのかもよく理解してない。

僕は自動車教習の初めての路上運転の時、教習所のゲートを出てそのまま右車線に入っていった男だ。人生だってふらついてる始末。そう簡単に自分を信用するわけにはいかない。

それに裁断まで自分でした方がより手作り感が増すに違いない。そもそも芸人たるもの、枠に囚われているようではいかんのである。

 

そんなこんな、この後小1時間ほど売り場を歩き回った結果、いい感じの紙を見つけることができた。「中厚口」「厚口」「特厚口」など、カレーでいう唐辛子マークのような表記がされた紙の中から「最厚口」と書かれた紙を選ぶ。これだけ厚ければ高級感も出るに違いない。

さらに、人生初シルクスクリーンに向けて心が浮ついている僕は、ちょっとオシャレに「クラフト紙」なんてものもカゴに入れてしまった。天ぷらは塩、写真はモノクロ、紙はクラフトにしておけば、とりあえずセンスがあると思わせられるのだ。

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「レトロでポップな」と書かれたクラフト紙

 

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やはりクラフト紙の方が少し割高だ

「最厚口」A4白紙25枚入り ¥377税込

A4クラフト紙20枚入り ¥418税込

 

高いのか安いのかもよくわからないが、今回の出費はしめて¥795。

次はいよいよシルクスクリーンに挑戦だ。持っていって「これは使えません」と言われる不安は見ないふりをして、わくわくしながら当日を待つ!

 

SSGメモ4:うっかりプリンタ用の紙に手を出すべからず