シルクスクリーン芸人爆誕!
もう後ろめたくない!
新橋の駅前第1ビル。令和の世に昭和レトロな趣がそのまま残り、食事時にはサラリーマンのお父さん達で賑わうこの建物。その4階にあるRISOさんの工房にお邪魔して、昨日ついにシルクスクリーンを体験してきた!
これでようやく胸を張ってシルクスクリーン芸人を名乗ることができる!
これがシルクスクリーンだ!
シルクスクリーンの仕組みも簡単にだが理解できたので解説しよう。まずシルクスクリーンに使う版は、不透過質素材と細かい網あみ素材の2層でできており、それをPCから出力したデザインの通りに機械が不透過質の部分だけ取り除く。
そしてこの版を、Tシャツなど印刷したい物に当てがい、上からインクを塗り込むことで、透けた部分だけがキレイに写るというわけだ。
ちなみに、昔はこの版が絹製だったため「シルクスクリーン」と呼ばれるが、実際今では名前以外どこにもシルクは出てこない!そうなのか!
そしてそして、自分で作成したデザインを簡単かつ繊細に版へと出力できるその機械こそが、RISOさんが9月に発売したばかりの「MiScreen a4」様であり、僕が今回の企画を通して大いに利用させていただき、世間にその魅力を知らしめるべき相棒である。
使い方はいたってシンプル。背面にある電源スイッチを入れたら、PCからUSB接続でデザイン画像を読み込み、矢印の方向から隙間に新しい版を挿し込む。そして上部のふた部分を押さえ込むと機械が作動し、反対側からデザイン通りに加工された版が出てくるのだ。
個人的にこの「押さえる」という操作方法がアナログ感があって好きだった。正直スイッチ一つでできそうなものでもあるが、この腕にかかる適度な重さと、終わるまで絶対に離していけないという緊張感が、「今自分で作ってる」感覚を引き立たせて完成品に愛着を湧かせるのだ。
記念すべきオリジナルグッズ第1号
シルクスクリーンの仕組みや製法がわかってきたところで、ついにそれを使う時が来た。RISOの山本さんのご指導のもと、前回までに準備を進めてきた名刺の作成に取り掛かる!
まずは薄くてペラペラの版をしっかりと枠に貼り付けることから始まる。何気にこの作業が1番苦手だったかもしれない・・・。しかし、これがたるんでいたりするとキレイに印刷されないため重要なポイントだ。
付き添ってもらっていた中根さんから「ま、まさか..不器◯..」と指摘されたので、「図工はずっと5でしたけどね」と四半世紀近く前の功績を持ち出して華麗にかわしてみせた。
その次は上記した通り、MiScreenを用いて基となる版が完成
それではいよいよインクを塗る作業である。
台の上に先日自分で選んで買った紙を固定し、その上に版を押し当てて、さらにその上にインクを盛ったら、あとは「スキージ」と呼ばれるヘラのようなものでインクを塗り伸ばすように引くだけだ。まさにこの名刺のデザインイメージのような動作だ。
一回山本さんのお手本を見たあと、いざ、意を決して挑戦だ!
スキージを引くと「スゥーーーン」という心地よい音が鳴る。版の表面がザラザラしているため、網戸を爪で引っ掻いた時のような音だ。
恐る恐る版をどけると・・・できてる!
しっかりとインクが紙に乗り、僕がデザインした通りの図柄がプリントされている。これはちょっと感動だ!
そして前回直感で選んだクラフト紙がいい味を出している。我ながらこのセンスは間違いなかった。茶色のインクとの相性は抜群だ。
美しく仕上げるコツ
とはいえ、なかなか完璧な仕上がりかというと、正直ちょっとムラが目立つ。
スキージを引くときに立たせすぎたり速すぎると写りが薄くなり、逆だと濃くなってしまう。作業自体は単純な分、そのあたりの微妙な調整には感覚と慣れが必要だ。
また、布よりも紙の方が若干難易度は高いらしい。特に前回買ったもう一方の白い紙は、表面がツルツルと加工されており、クラフト紙よりもインクをキレイに定着させるのが難しった印象だ。水性のインクが染みやすい素材を用意することも大事な点の一つである。
さらに、そもそものデザインに関して、今回の絵のようにベタ塗り部分が広いと、それだけインクのムラが目立ちやすくなってしまうことも考慮しなければならない。
どうやらシルクスクリーンは簡単なようでかなり奥が深い・・・。これから1年かけて勉強していかなければ!
ひとまず名刺が完成
途中には没頭しすぎて、餃子を作ってる時のようにまったく喋らなくなるという芸人としてあるまじきハプニングもありつつ、何はともあれ、ついにシルクスクリーンを駆使してオリジナルグッズを制作するという、SSGとしての第一歩は踏み出せた。
できあがった名刺はせっかくなのでバンバン配っていけたらと思いっている。ちゃんとQRコードも読み込めたので、なんだかんだでやっぱりすごい再現度だ。
そして実はこの日、なんとさらにTシャツも制作していた!
その模様は次回に続く・・・