シルクスクリーン芸人・小林ぼっちの刷ったもんだ

無名のピン芸人、小林ぼっちが知識ゼロの状態から「シルクスクリーン」を駆使してオリジナルグッズの作成・販売。一人前のシルクスクリーン芸人を目指して奮闘する1年の軌跡を綴ります。

グッズ制作 第2段 その1

SSGの新しい仲間たち!

単独ライブでの販売を主目的としたグッズ制作の第1段ではTシャツを大量に刷った。

あれから1ヶ月、そろそろ次のグッズを作らねば!ということで先日またまたRISOさんのワークスペースにお邪魔してきた。

f:id:ssg-k-botch:20191123231723j:plain

今回刷るアイテムたち。仕上がりが楽しみだ


前回は一人で黙々とTシャツを50着刷り続け、没頭しすぎるあまり危うく宇宙の真理に触れそうなところまで行ってしまったが、今回は違う。

芸人仲間から募ったシルクスクリーンに興味のある人たちと、合同で楽しく和気あいあいと刷るからだ。集まってくれた有志は、僕の古巣である人力舎の女性芸人3名!

 

まず1人目はピン芸人の かわえなつき!

f:id:ssg-k-botch:20191123231313j:plain

年間を通じてキャップスタイルのかわえなつき

ボーイッシュの申し子でお馴染みの彼女は筋金入りのアイドルオタクでもある。

今回は自分用にオリジナルの推しTシャツを作りたいとのことで参加してくれた。正直1枚しか刷らないのであればかえって割高になるとは何度も説明したのだが、彼女の耳に届くことはなかった。推しへの愛を示すためならお金なんて問題ではないということなのか・・・ドルヲタの信仰心は恐ろしい。

 

2人目は「なかよし」という男女コンビの後藤!

f:id:ssg-k-botch:20191123231832j:plain

ネタにもイラストにも狂気が垣間見えるなかよし・後藤


小学校低学年の女子が描くような絵柄のイラストを得意とする。彼女の描く人物画の瞳にはとにかく◯(まる)がたくさん詰まっていて奇抜だ・・・。なにやら今後はお笑い以外にも創作活動を始めていく目論見があるらしく、今回はその一環として参加してくれた。

 

3人目はいつもお世話になっている先輩、「本田兄妹」のあやのさん!

f:id:ssg-k-botch:20191123232126j:plain

いろいろと凝り性で多趣味な先輩、本田兄妹・本田あやの


もともとオアシズの光浦さんらとともに、本格的な趣味として手芸を嗜んでいる人だ。今回はトートバッグに自作イラストをシルクスクリーンで刷り、さらにあとから刺繍を施すつもりらしい・・・。そして大量に持参してきた布きれ。聞けば、それにもイラストを刷り、持ち帰って後々その布でポーチやら手芸品小物を自作する計画なんだとか。

したたかすぎる!ハンドメイドにもほどがある!今回最も製版代のもとをとったのは断トツであやのさんだろう。とにもかくにも制作意欲にあふれた人だ・・・。

 

この個性的なメンバーとともに、早速シルスクアイテムを制作だ!!

SSGパイセン

というわけで今回もRISOの山本さんに手ほどきを受けながら、4人でシルクスクリーン開始!・・・といっても僕はこれで3度目である。初体験の3人とは違って慣れたものだ。

GOCCOPROから自分の描いたイラストやロゴが製版されて出てきた時の感動。版をフレームにピシッと貼る時の真剣な表情。インクのカラーで悩む様子。取り組む3人のすべてが懐かしく微笑ましいかぎりだ。

f:id:ssg-k-botch:20191123232543j:plain

ただスタートボタンを押す顔にも自信がみなぎる小林ぼっち

f:id:ssg-k-botch:20191123232711j:plain

f:id:ssg-k-botch:20191123232743j:plain


そしていよいよインクを刷る工程まできた。

なんといっても世界に1人、こちとら元祖シルクスクリーン芸人である。まずは僕がビシッと刷り上げるところを見せて、3人の期待に応えてあげなければいけない。

この日のために描きあげた「いいぬ!」イラストを、紺色のインクを使ってトートバッグとサコッシュ、パーカーにプリントするのだ。

 

サッとスキージを引く。見事にプリントされるわんこ。湧き上がる歓声と羨望の眼差し。まあどうってことないけどね。それ2枚、3枚、4枚・・・・・・んん?

 

だんだんとわんこの線がかすんでいる。点々とインクがついてない箇所がある。もう5枚目あたりは「味」では済まされない、明らかな失敗作だ!

動揺を隠しきれない僕のところに山本さんが飛んでくる。

「ぼっちさん、インク返しされてますか!?(汗)」

インク・・・がえし・・・?

せ、せや!忘れとった!!

 

実はインクには色だけでなく、性質にもいくつか種類がある。

今回僕が選んだインクは水性でとにかく乾くのが早い種類だった。なのでモタモタしていると版の穴に詰まったインクが乾いて固まり、すぐにキレイに刷れなくなってしまうのだ。それを防止するためのテクニックが「インク返し」なのだが・・・ちょっと説明が難しいので割愛。(インク返し自体は簡単です!)

とにもかくにも、水性のインクの場合は毎回刷るたびに「インク返し」をしないといけない!それをちゃんと助言されていたにもかかわらず、すっかり忘れて余裕ぶっこき呑気に刷っていたら、瞬く間に版は使い物にならなくなってしまっていた・・・。

その後、山本さんに洗浄してもらってなんとか版を復活させてもらい、残りを必死に刷り上げて被害は最小限に抑えることができた。おかげさまで売り物として耐えうる「いいぬ!」グッズの完成だ!

手前みそだが、なかなかカワイイできではないだろうか?特にパーカーは白とベージュの一点物。

f:id:ssg-k-botch:20191123233224j:plain

サコッシュとトートバッグM・L

f:id:ssg-k-botch:20191123233333j:plain

パーカー 白・ベージュ

f:id:ssg-k-botch:20191123233425j:plain

かすれたり滲んだりした失敗作・・・無念


とはいえ、なんとも情けない。

3人に良いところを見せるはずが、かえって気を遣わせ、手間をかけさせてしまった。面目ない。・・・そして僕は思うのである。

 

(みんなもちょっとずつ失敗しないかな・・・)と。

 

そんなわけで3人の制作の様子は次回!

はたして、どんな作品ができあがるのか!?シルクスクリーンを気に入ってくれるのか!?

SSGメモ14:水性インクの時はスピードとの勝負。そして「インク返し」!