シルクスクリーン芸人・小林ぼっちの刷ったもんだ

無名のピン芸人、小林ぼっちが知識ゼロの状態から「シルクスクリーン」を駆使してオリジナルグッズの作成・販売。一人前のシルクスクリーン芸人を目指して奮闘する1年の軌跡を綴ります。

刷って刷って刷って

いざ、シルクスクリーンのループへ

10月16日木曜日。

先日はRISOの山本さんご指導の下、初のTシャツ刷りにチャレンジして「シルクスクリーン芸人」Tシャツを全15枚こしらえたわけだが、この日はついに自分1人で全工程を行わなければならない!朝から新橋駅地下のエクセルシオールでバシッとカフェインをキメたあと、RISOさんのワークスペースへと乗り込んだ!

 

到着すると、すでに山本さんが事前に送っておいたデザインの製版も終わらせ、「あとは刷るだけ」の状態にセッティングしておいてくれたので、早速ご厚意に甘えることになるのだが、そこで最初に一回だけ刷り方のおさらいをしたあとは、いよいよ本当に孤独な戦いが始まる。

f:id:ssg-k-botch:20191024235939j:plain

着いたらすでにこの状態!至れり尽くせり・・・

f:id:ssg-k-botch:20191025000216j:plain

モグラのイラストがしっかりと製版されている

目標は50着!

夜にはライブが入っているので、昼過ぎごろまでには終えなければならない。あ、そうなんです。無名中の無名ですが、僕は一応お笑い芸人として日々ライブに出演しております。小林ぼっちです、よろしくどうぞ。

 

今回発注して用意してもらったTシャツはすべて黒。サイズはWSが5枚・WMが15枚・Sが5枚・Mが15枚・Lが10枚だ。(後々、サイズ発注の配分の難しさを痛感するのだが、それはまた別の話・・・)

 

それではシルクスクリーン開始!

台にTシャツをセットし、版を下ろしてその上からスキージでインクを刷り込む。(詳細な手順は前々回の記事をチェック!)

 

f:id:ssg-k-botch:20191025001913g:plain

ひたすら、ひたすら繰り返すのだ・・・

f:id:ssg-k-botch:20191025002716j:plain

正真正銘、小林ぼっちが1人で刷った50着

長年の報われない芸人生活で培った「心を殺す」という能力を発揮し、我ながら圧倒的な集中力を見せた。 面白いことこそ何一つ言わなかったが、2時間もかからずにあっという間に刷り上げてしまった。このような地道な作業はどうやら性に合っている。芸人としては非常に複雑だ・・・。

 

次はそれをヒーターに通し、熱で乾かしてインクを布地に定着させる。

ベルトコンベアに運ばれて、1着1着完成していく様子は、刷った者として感動のひと時だ。

f:id:ssg-k-botch:20191025003140j:plain

続々と仕上がるTシャツに笑みがこぼれる

f:id:ssg-k-botch:20191025005005j:plain

和訳すると「暗中模索」と言っています

最後はこれを1枚1枚畳み、袋詰めしていく。これは帰ってからでもできる作業だが、6畳1Kという売れない芸人のリアルな住宅事情では50着のTシャツを広げられるスペースはない。ワークスペースの一角をお借りし、これまた黙々と機械的な動作を延々と繰り返すのだ。

f:id:ssg-k-botch:20191025003944j:plain

すべての工程が終了した時は感涙ものだ

そしてついに完成だ!

要所要所で山本さんに気にかけていただきつつ、ほぼすべての工程を1人で成し遂げた。まごうことなき「オリジナルTシャツ」を生み出すことに成功したのだ!

なんという高揚感・・・これを得たいがために人はシルクスクリーンを刷るのだな〜。

 

しかし、この先にはもっとアガる瞬間が待っている。

そう、この可愛い可愛いTシャツたちが買ってもらえた時だ!

この日の来週に控えた単独ライブでついに販売を開始するこの「暗中模索Tシャツ」。果たして何枚売れるのか!?待ってろよ!

f:id:ssg-k-botch:20191025004854j:plain

紙袋2つにパンパンの量・・・重い

 

SSGメモ8:刷る時は自分を"熟練の職人"だと思い込むとで作業に酔いしれることができる